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パッチワーク型労務管理になっていませんか?

こんな方に読んでほしい!

◎静岡市近郊で営業中

◎従業員数51名以上

◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい

◎ご年齢が30-50代の代表者様

◎従業員に対して有効な人事施策を打ちたい


こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。

「働きやすい会社にしたい」「従業員満足度を上げたい」「優秀な人材を確保したい」

こうした思いから、他社の労務管理の成功事例・取り組みを参考にすることはよくあります。しかし、その取り組みの結果 「パッチワーク型」になってしまうと、思わぬ落とし穴に陥ることがあります。

今回は 「パッチワーク型労務管理とは何か?」を明らかにし、何がいけないのか、なら、どうすればよいのか について解説します。



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パッチワーク型労務管理とは?


パッチワーク型労務管理は造語です。

「インターネットや異業種交流会などで見聞きした、他社の労務管理の事例をつぎはぎし、いいとこどりしようとした結果、会社の考えが見えづらくなり、何が何だか分からなくなる状態」

と定義したいと思います。


例えば、こんなケースです。

  • A社が「フレックスタイム制度」を導入したと聞いて、自社でも取り入れてみたが、結局ほとんど使われていない。

  • B社が「リモートワーク」を推進していると聞いて、ルールを整備せずに導入した結果、業務の進捗がわかりにくくなり、生産性が低下した。

  • C社が「副業制度」を開始したので、自社でも許可したが、副業に軸足を置きすぎる人が多くなってしまい、本業が回らなくなってきた。

このように、「なんとなく良さそうだから」「他もやっているから」「流行っているから」と導入しても、自社の状況や目的と合っていなければ、期待した成果は得られません。


なぜパッチワーク型労務管理が問題なのか?


① メッセージ性の薄いシステムになり、逆効果になることも

パッチワーク型労務管理では 「何のためにそれを導入するのか?」 という根本の考えがないまま取り入れられることが多く、従業員にとっても 「何のためにある制度なのか?」 が伝わりません。

例えば、制度を導入する際に「うちの会社は、柔軟な働き方を支援します」と言いつつ、実際には管理職が出社を強く求める文化が根強く残っているという状況では、従業員は 「結局どっちなの?」 と混乱してしまいます。

また、制度を導入したものの、 「利用しにくい」「運用ルールが曖昧」 という理由で使われずに終わってしまうこともあります。これでは、労務管理の仕組みが従業員にとって 形だけのもの になってしまいます。


② 「結局、何がしたいのか?」が見えなくなる

パッチワーク型の労務管理を続けると、会社全体としての 方向性が見えにくくなる という問題が発生します。

例えば、ある会社が他社の成功事例を参考にして「ワークライフバランスを重視する」 という方針を掲げながら、一方で一定の残業を見込む「みなし残業制度」はそのまま継続するようなケース。

また、「リモートワーク可」としつつも、原則は出社を推奨するような運用をしているケース。


従業員は 「結局うちはどうしたいの?」 と疑問に感じます。

このように、 「会社としての軸がぶれている」 状況では、制度の整備や運用を行っても、従業員の満足度は上がらず、むしろ不満を生むことになりかねません。


どうすればよいのか?


「依って立つ信念」を明確にする

困ったときや変化に対応しなければならないときには、「自社はどのような会社でありたいのか?」という軸に立ち戻ることが重要です。

新しい取り組みを始める前に、以下のような問いに答えることはできるでしょうか?


  • 「この制度を導入することで、会社のどんな価値観を反映できるのか?」

  • 「この制度が従業員や組織にどんな影響を与えるのか?」

  • 「この制度を活用することで、どのような働き方を実現したいのか?」

これらの問いを考えることで、 単なる「流行の取り入れ」ではなく、会社の方針に合った施策を導入することができます。いくら流行っていたとしても、「これは、ウチとは合わない」と思えば、辞める決断もしやすいでしょう。


② 自社の状況に合わせたカスタマイズをする

他社の成功事例を参考にするのは良いことですが、 そのまま導入するのではなく、自社に合わせたカスタマイズをすること が大切です。

例えば、リモートワークを導入する場合、業務進捗の管理ルールや、コミュニケーションの手段を事前に整える ことが重要です。


③ 現場の声を反映させる

労務管理の制度を設計する際には、 実際に働く従業員の声を聞くこと も欠かせません。

例えば、新しい制度を導入する前に 試験運用を行い、現場のフィードバックを反映する というプロセスを設けることで、実際に使いやすい制度にすることができます。

「反対されそうだから、とりあえず始めてみよう」では、失敗する可能性が高いです。



いかがでしょうか?

パッチワーク型労務管理は、一見すると「良いとこ取り」に見えますが、 軸が定まっていないまま導入すると、制度が形骸化し、逆効果になることもあります。

大切なのは 「自社の労務管理の軸(信念)」を明確にし、そこに基づいた制度を整備すること です。

他社の事例を参考にしつつも、 自社に合った形にカスタマイズし、現場の声を反映させながら運用すること で、従業員にとっても会社にとっても 本当に意味のある労務管理 を実現していきましょう。

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