嫌われるコミュニケーションの3D ―「でも」「だって」「だから」
- hi-perda
- 5 日前
- 読了時間: 3分
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎従業員との会話が弾まない
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
「最近、若い社員がすぐ黙ってしまう」「話しても反応が薄い」――そんなふうに感じたことはありませんか?
もしかすると、あなたの会話の中に、「嫌われるコミュニケーションの3D」が潜んでいるかもしれません。
その3Dとは――「でも」「だって」「だから」です。
一見、何気ない言葉ですが、この3つを繰り返すと、相手との信頼関係を壊してしまうことがあります。

3Dが生む“壁”と“不信感”
たとえば、部下が「この作業、もう少し効率的にできないかと思いまして…」と提案してきたとします。
そこで、こんなふうに返していないでしょうか?
〈NG例〉
部下:「この作業、もう少し効率的にできないかと…」
上司:「でも、今のやり方で問題ないだろう?」
部下:「あ、そうですね…(もう何も言うまい)」
また別の日には…
部下:「A案よりB案の方がコストを抑えられるかと」
上司:「だって、前にも言ったけどA案の方が安全だから」
部下:「……(もう提案はやめよう)」
さらに…
部下:「この仕様って、お客さんから分かりにくいって声がありました」
上司:「だから、前も言ったようにマニュアルを読んでもらえばいいんだよ」
部下:「(話を聞く気がないんだな…)」
こうした返答に共通するのは、相手の話を否定し、会話を止めてしまう点です。
どんなに正しいことを言っていても、「でも」「だって」「だから」で始まる返事は、“反射的な否定”として受け取られやすく、結果として「話してもムダだ」と感じさせてしまうのです。
傾聴姿勢が信頼を育てる
では、同じような場面でも「3D」を使わずに、相手の話に耳を傾けるとどうなるでしょうか?
〈OK例〉
部下:「この作業、もう少し効率的にできないかと…」
上司:「なるほど、どんな方法を考えているの?」
部下:「はい、たとえばこういう方法で…」
上司:「面白いね。リスクはありそうかな?」
部下:「少しありますが、工夫すれば…」
→会話が続き、改善の可能性が広がります。
別の場面でも…
部下:「A案よりB案の方がコストを抑えられるかと」
上司:「B案に注目した理由、もう少し詳しく聞かせてもらえる?」
部下:「はい、実はこの点で…」
→提案の意図が共有され、対話の質が深まります。
このように、「3D」を使わず相手の意見に一度関心を向ける姿勢を持つことで、信頼が生まれ、建設的な話し合いが可能になるのです。
経営者にこそ必要な「聞く力」
私たち経営者は「正しく導く」「判断する」ことに慣れています。ご経験から来る正しさがあることは事実ですね。
だからこそ、部下の話を聞くときにも、つい「結論」や「正論」で返してしまいがちです。
けれど、多くの人はまずは「聞いてくれた」「受け止めてもらえた」という実感を求めています。
他者を思いのままに動かすことができると考える思想を「操作主義」といいます。
でも、相手のことはコントロールできない。そう心に留めたうえで、「でも」「だって」「だから」を減らし、代わりに「なるほど」「どうしてそう思ったの?」「ありがとう、参考になるよ」といった前向きな反応を心がけてみてください。
まとめ
「でも」「だって」「だから」は、日常的によく使う言葉ですが、相手の話にブレーキをかけてしまう危険なワードです。特に逆接で展開する場面でないときでも、「でもさ」と言ってしまいがちです。
ちょっとした言葉遣いの違いが、相手のモチベーションや信頼感に大きな影響を与えることを、私たち大人こそ意識したいところです。
コミュニケーションはキャッチボールです。
受け止めるから、相手も投げ返してくれる。
まずは「3D」を封印し、「聞く」から始めてみませんか?
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