質問の原液を、相手に飲ませない工夫をしよう!
- hi-perda
- 2月20日
- 読了時間: 4分
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数30名以下
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎多様な働き方について理解を深めたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
「この書類の〇〇について、具体的な根拠を示してください」
「貴社の△△の取引は□□基準に適合していますか?」
行政機関や役所からの問い合わせは、時として専門用語や曖昧な表現になっていて、にもかかわらず解釈を間違えると不利益を被る可能性があります。
しかし、コンサルタントがそのままクライアントに質問を伝えるだけでは、クライアントの負担は増すばかり。これを、私は「質問の原液を相手に飲ませる」と表現したいと思います。
本来、質問の役割は「必要な情報を引き出す」ことにあります。しかし、難解な質問をそのまま投げると、相手は何を聞かれているのかすら分からず、適切な回答を導き出すどころではありません。特に経営者や担当者が多忙な場合、考える時間が取れず、ストレスを感じることもあります。
では、コンサルタントはどのように質問を「薄めて」、適切に伝えるべきなのでしょうか。
自戒も込めて整理したいと思います。

1. 質問の本質を理解する
まず、行政機関や取引先からの質問の背景をきちんと読み解くことが重要です。
たとえば、税務署から「この取引の経済合理性を証明してください」と聞かれた場合、そのまま伝えるだけではクライアントは困惑するでしょう。
本質的には「この取引は節税目的ではなく、事業上の合理的な理由があるか」を確認したいのです。そこで、コンサルタントが咀嚼して、
「この取引を決めた際、どんな事業上の必要性がありましたか?また、価格決定のプロセスを教えてください」
といった形に変換することで、クライアントは回答しやすくなります。
「こういう質問の電話がありましたが、先方様は『○○』を知りたがっているのだと思います。なので、この処理は▼▼という意味合いで行いました、等と表現できれば良いのではないかと考えましたが、本来のお考えに近いでしょうか?」
と、噛み砕いてかつ回答までの道筋まで立てられると、クライアントは安心ですね。
2. 分かりやすく伝える
専門的な言葉や回りくどい表現は、質問の意図をぼやけさせます。
例えば、補助金申請に関する問い合わせで「本事業における費用対効果を具体的に示してください」と言われた場合、コンサルタントがそのまま伝えれば、クライアントは「何を、どう書けばいいのか」と悩みます。
ここで重要なのは、「費用対効果」とは何を指しているのかを具体化することです。
たとえば、
「この補助金を使うことで、売上がどのくらい増える見込みか」
「どんなコスト削減が期待できるか」
など、相手が考えやすい質問に分解して伝えるのが良いでしょう。
また、メールや書面で伝える場合には、箇条書きを活用し、分かりやすく整理するのも効果的です。
3. 質問のラリーを減らす
質問をそのまま投げると、クライアントが理解できず「これはどういう意味ですか?」と聞き返すことになり、やりとりが増えてしまいます。これが「質問のラリーの増加」です。
質問のラリーが増えると、回答に時間がかかるだけでなく、余計なストレスが生じます。特に、締め切りが迫っている場合や、答えられる側の人が忙しい場合には、効率的に進めることが求められます。
ラリーを減らすためには、次のような工夫が有効です。
相手が答えやすい形にする(Yes/Noで答えられる形や、選択肢を提示する)
必要な情報を事前に整理する(過去の事例を示しながら質問する)
質問の意図を補足する(なぜこの情報が必要なのかを説明する)
いかがでしょうか?
コンサルタントとしては、単なる「メッセンジャー」ではなく、「質問の翻訳者」でありたいなという風に願います。何かを提出することで、行政機関等から質問が来ることは基本的には避けられませんが、クライアントを支援するということは、「できるだけクライアントに負担をかけない」ということでもあります。
受けた質問を下処理することで、聞かなければならないこともスマートに・時間を取らせず終えたいものです。
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