Suicaのペンギン引退。変わらないことへの安心感を手放す勇気
- hi-perda
- 3 日前
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こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎変化の激しい時代に生き抜いていきたい
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
ペンギン好きにはショックなニュースが飛び込んできました。〈Suica〉のICカードでおなじみのマスコット、Suicaペンギンが「卒業=引退」し、2026年度末をもって新キャラクターにバトンタッチすることが決まりました。キャラクターの名前が決まっていないということをこのニュースで知りました💦
変えないで欲しい・寂しいという声も多く聞かれています。

なぜ「変えないでほしい」という声が出るのか
経営者の皆さまもご経験があるかと思いますが、職場環境・制度・慣習など「ずっとこうしてきた」ものがあると安心感があります。スタッフも「この会社ではこういうスタイルだ」という安心を持って働ける。Suicaペンギンのように「見慣れた存在」「いつもそこにある象徴」があるというのは、ユーザー側としても“変わらない安心”を感じるものです。
そのため、こうした“定着しているもの”を変更・刷新・廃止しようとすると、
「あの雰囲気が変わるのか」
「思い出や慣れ親しんだものを手放すのか」という寂しさや疑問が出てきます。
一方で、「ずっと変わらないもの」はないという視点
ここで、仏教の言葉である「諸行無常」を思い出してみましょう。「すべてのものは変化し続ける」という考え方です。企業経営においても、地域環境の変化、市場の流れ、働き手の価値観、技術の進展など、変わらないものを維持し続けることがむしろ難しくなっています。つまり、「変わらないこと」そのものがリスクになるケースもあります。
Suicaの例で言えば、交通ICカードという枠を超えて「決済サービス」「キャッシュレス」「モバイル連携」といった新しい領域に“移行”しようとしている段階で、旧キャラクターをそのまま使い続けることより、新しい顔ぶれを出すことで「次の時代へ踏み出す」という意味合いを持たせているのではないでしょうか。
安心感を手放す勇気
職場において「変えないこと」によって得られる安心感、これは大きな価値ではあると思います。 社員の定着、居心地、慣れたやり方、社風の一貫性、これらがあるからこそ仕事がスムーズに回る面もあります。 一方で、環境が変化すれば、安心のまま居続けていても停滞してしまう可能性があります。例えば顧客ニーズ、働き方(リモート・ハイブリッド)、新たな採用市場、デジタル化など。変化に対応できないと活気・成長が鈍るリスクがあります。時には、手放す勇気が必要な場面もあるということですね。
ルーティン化している業務プロセス:これを少し変えてみる。
社内制度・評価体制・会議の進め方:ずっとこのやり方でやってきたからこそ、少し別の角度から改善してみる。時代の潮流・他社事情等を考慮。
ブランド・ロゴ・社内文化・社風:外部/若手の目線から「このままでいいのか」を問い直す。
Suicaペンギンの“卒業”はまさにその象徴として捉えられます:親しみある象徴を手放し、新たな象徴へと切り替える。寂しさはあるけれど、次の時代に備える流れです。
「変えずにいる」ことの価値と「変える」ことの勇気、両立を目指す
重要なのは、「慣れ親しんだものを完全に捨てる」ことではなく、「安心できる土台を残しながら、必要なところに変化を取り入れる」ことです。 たとえば:
社長として変革を唱える一方で、長年の職場文化や力を発揮してきた制度・制度担当者・慣れたやり方を尊重する。
新制度を導入するとき、社員に「なぜ変えるのか」「どう変えるのか」を丁寧に説明し、不安を和らげる。
職場の“顔”(象徴)を大きく変えるわけではなく、象徴の中に「これから」のメッセージを込めるような刷新を検討する。
まとめ
変わらないものがあるということは、確かに大きな安心感です。ですが、世の中が変化していく中で、「変えないためにリスクを取る」という発想も必要です。Suicaペンギンの卒業というニュースは、その象徴的なストーリーとして、私たちの経営現場にも一つのヒントをくれます。 「安心できる慣れ」を尊重しながらも、「変化する勇気」を持ち、次のステージへとバトンを渡す。そのバランスが、地方で中小規模の会社を経営していく上で、活気を生み、成長を支える鍵になるのではないでしょうか。
もし、ご自身の会社で「変えたほうがいいかな?」とお感じの制度や慣習があれば、まずは小さな変化から付けてみましょう。スモールステップで始めていくことで、それこそ徐々に慣れていくと思われます。



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