「マニュアルなし・背中で見て覚えろ・場当たり的な指導」をOJTと呼ぶのはやめよう
- 6月25日
- 読了時間: 3分
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎従業員教育体制を確立したい
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
「うちはOJTで育てています」
企業でよく聞く言葉です。しかし、その実態を聞いてみると、
・マニュアルなし
・教育担当も決まっていない
・“見て覚えて”方式
・人によって教える内容が違う
こうしたケースも少なくありません。
もちろん、現場経験は大切です。ただ、“すぐ現場に入ってやってもらうだけ”をOJTと呼ぶのは、本来の意味とは少し違うのではないでしょうか。

OJTの本来の意味とは?
OJTとは、「On the Job Training」の略です。職場で実際の仕事を通じて、知識や技術を身につける教育方法を指します。
また、人材育成の解説では、
指導→実践→フィードバック→改善
このサイクルを回しながら育成することがOJTだと説明されています。
つまり、本来のOJTは、「とりあえず現場に入れて覚えてもらうこと」だけではありません。
「背中を見て覚えろ」は時代に合わない
昔は、職人の世界などで「技術は盗んで覚えるもの」と言われました。
しかし今は、仕事そのものが複雑になっています。
・システム操作
・コンプライアンス
・安全管理
・顧客対応
・情報管理
覚えることは昔より圧倒的に増えています。
そんな中で、
「とにかく隣で見て」「分からなかったら聞いて」
だけでは、新人側も非常に不安です。
まるで、地図もコンパスもないまま、山道を歩かされるようなものです。
教える人によって内容が違う問題
場当たり的なOJTで特に起きやすいのが、“教え方のバラつき”です。
Aさんは「これは絶対必要」と言う。
Bさんは「そんなの気にしなくていい」と言う。
新人からすると、何が正しいのか分かりません。
結果として、
・覚えるまで時間がかかる
・ミスが増える
・質問しづらくなる
・離職につながる
という悪循環になります。
本当のOJTは「準備」が必要
実は、OJTはかなり“準備が必要な教育”です。
厚生労働省でも、助成金の場面において、OJTとOff-JTを組み合わせた「計画的な訓練」を紹介しています。
つまり、本来は、
・何を教えるか
・どの順番で教えるか
・誰が教えるか
・どこまでできれば合格か
これらを整理した上で進めるものなのです。
「教える側の工夫」が会社を強くする
新人教育というと、「新人の努力」に目が向きがちです。
しかし、本当に重要なのは、“教える側が学びやすい環境を作れているか”です。
例えば、
・作業手順を見える化する
・チェックリストを作る
・動画マニュアルを作る
・専門用語を減らす
・質問しやすい空気を作る
こうした工夫だけでも、教育効果は大きく変わります。
マニュアルは「人を縛るもの」ではない
「マニュアルを作ると応用が利かなくなる」
そう考える経営者の方もいらっしゃいます。
ですが、本来のマニュアルは、“最低限の共通ルール”を作るものです。
土台があるからこそ、その上で応用ができます。
逆に、基準がない状態では、毎回ゼロから考え教えるることになり、教育コストが膨らみますし、再現性にも欠きます。
まとめ
OJTとは、本来、「現場で経験を積ませる」だけではなく、“計画的に人を育てる仕組み”です。
後者が意識されない教育をOJTと呼んでしまうと、教わる側にとっては非常に不親切です。
人手不足の時代だからこそ、「新人が汲んで、頑張る」のではなく、「会社が育てやすくする」発想が重要です。
教育は根性論ではありません。仕組みです。
そして、その仕組みを整えられる会社ほど、人が育ち、定着し、強い組織になっていくのだと思います。
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