病気で長期療養に入る方などのために、社会保険料を改定できる制度が始まります_20270101から
- 21 時間前
- 読了時間: 4分
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎長期休職中の方がいる
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
病気になって長期間休んだり、家族の介護をしたり、育児のために勤務時間を減らしたりすると、当然ながら給与が大きく下がることがあります。
しかし社会保険料は、給与が下がったからといって、すぐに下がるとは限りません。
そこで、2027年1月1日から、新しい「標準報酬月額の特例」が始まります。
簡単に言えば、
「病気・育児・介護と仕事を両立するために働き方を変えて給与が大きく下がった人について、社会保険料も早く下げられるようにする」
という制度です。

どんな人が対象?
次の3つをすべて満たすことが必要です。
①病気の治療、育児、介護と仕事を両立するため、本人と会社が合意して勤務を調整している
②その結果、給与が急に下がり、現在の標準報酬月額から「2等級以上」下がる状態が3か月以上続く見込みである
③本人が、この特例を利用して標準報酬月額を下げることに書面で同意している
という条件です。
ここでいう「療養」は、本人の病気だけではありません。家族の病気の治療に伴って、看護などの対応をする場合も含まれます。
育児については、就学前の子を育てる場合、介護については、要介護・要支援認定を受けている家族を介護する場合が対象です。
受け取る給与については、完全な休職により0円である方については、就業調整しているとは見なされず、今回の制度を使うことはできません。
通常の「月額変更」と何が違う?
通常の月額変更では、基本給などの「固定的賃金」が変わったことが重要な条件になります。
しかし、この特例では、療養・育児・介護による就労調整で給与が下がった場合、固定的賃金が変わったかどうかは問いません。
例えば、
「病気の治療のため、本人と会社で話し合って週5日勤務から週3日勤務に変更した。その結果、給与が大幅に減った」
「介護のため、本人と会社で話し合ってすべての日について残業をしないこととした」
というようなケースがイメージしやすいでしょう。
会社は何をすればいい?
手続きは、会社が行います。
大まかな流れは、
「本人と会社で勤務調整を相談」
↓
「給与が2等級以上下がることを確認」
↓
「3か月以上続く見込みを確認」
↓
「本人から書面で同意をもらう」
↓
「特例用の月額変更届を提出」
となります。
通常の月額変更届とは異なり、特例用の届書を使用し、「申立書兼同意書」を添付する必要があります。健康保険と厚生年金保険について、同様の手続きを行います。
いつから社会保険料が下がる?
この特例で改定された標準報酬月額は、原則として「届出月の翌月」から適用されます。
また、上記の通り「見込み」であることを要件としています。
つまり、給与が下がった月までさかのぼって社会保険料を下げることはできません。
この制度自体は2027年1月1日から適用され、特例改定の対象となる保険料は2027年2月分以降です。
また、有効であるのは出したあと月から見て一番近い算定基礎の結果が反映されるまでです。上記の例で行けば、2027年8月までが、急減した社会保険料としておくことができます。
また、急減するに至った理由がなくなって、給与が元に戻る見込みとなったら、回復した場合の特例の届を出します。
社会保険料が下がるなら、すぐ利用すべき?
この制度を利用すると、本人が負担する社会保険料は軽くなります。
一方で、標準報酬月額が下がることで、将来の年金額が少なくなったり、傷病手当金・出産手当金の額に影響したりする可能性があります。
そのため、制度の利用は「必ず会社が行う」ものではなく、任意です。本人に制度の内容を説明し、本人と会社で相談したうえで利用することになります。
いかがでしょうか?
病気、育児、介護。
人生には、どうしても働き方を変えなければならない時期があります。
そんなときに、
「辞めるしかない」
ではなく、
「働き方を調整して、仕事を続ける」
という選択肢を取りやすくする。
そのための制度の一つと考えると分かりやすいでしょう。
経営者の皆さまには、従業員から「病気の治療をしながら働きたい」「親の介護をしながら仕事を続けたい」と相談されたときに、こうした制度があることを知っておいていただきたいと思います。
コメント