法律通りやっていたら経営が成り立たない、は本当か?
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎法改正に対応できる自信がない
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
最近、経営者の方から、
「最低賃金が上がり続けている」「人件費が高くなって、とても払えない」「労働者の権利ばかり強くなっている」「法律を全部守っていたら、うちの会社は成り立たない」
というお話を聞くことがあります。
たしかに、中小企業にとって人件費の上昇は大きな問題です。
実際、2026年度の最低賃金は全国加重平均で1,177円となる答申が出されました。前年度から56円の引上げです。
「また上がるのか……」と感じる経営者がいるのも、無理はありません。
では、本当に「法律通りにやったら経営が成り立たない」のでしょうか。

ちょっと違う角度から考えてみる
私は、こんな質問を経営者の皆様にしてみたいと思います。
「最低限守らなければならないことを守れない会社は、世間からどう評価されるでしょうか?」
例えば最低賃金は、「できれば払ってください」というお願いではありません。
会社が労働者を雇う以上、最低限守らなければならないルールです。
つまり、「この金額を払うのは厳しいから、少し下げよう」ということは、本来できません。
ここは、とても大切なポイントです。
「最低限」を守れない会社で働きたいですか?
例えば、あなたが就職先を探しているとします。
A社は、
「法律で決められた最低限の給料をきちんと払います」「残業代も正しく計算します」「有給休暇も取得できます」
という会社。
一方、B社は、
「法律通りにやっていたら会社が潰れるから、うちは少しくらい仕方ない」「昔からこのやり方だから」「みんな我慢している」
という会社。
あなたなら、どちらで働きたいでしょうか。
もちろん、給料だけで会社を選ぶわけではありません。
しかし、「最低限の約束を守ってくれる会社かどうか」は、会社への信頼を考えるうえで、とても大切な部分ではないでしょうか。
「法律を守る」ことと「経営を諦める」ことは別
ここで誤解してほしくないのは、
「法律を守れないなら、経営者が全部我慢すればいい」
という話ではありません。
厳しい言い方になるかもしれませんが、
「法律で決められた最低ラインは守る。そのうえで、どうやって利益を出すかを考える」
という順番が大切なのだと思います。
例えば、
・価格を見直す
・仕事のやり方を変える
・ITや機械を活用する
・利益率の低い仕事を見直す
・業務を効率化する
・付加価値の高い商品
・サービスを考える
・人が辞めにくい会社をつくる
など、経営者が考えることはたくさんあります。もっと言えば、会社全体で考えることとも言えるでしょう。
最低賃金の引上げは、単純に「人件費が増えた」という問題だけではありません。
「今の仕事のやり方や価格設定のままで、これからも会社を続けられるのか?」
を考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
「守ること」から逃げない会社へ
「法律通りにやったら経営できない」
その言葉の裏には、中小企業経営者の苦しさがあるということはとても理解できます。
だからこそ、私はその言葉を責めるのではなく、
「では、どうすれば法律を守りながら、会社を続けていけるのか?」
を一緒に考えることが大切だと思っています。
法律は、会社を苦しめるためだけに存在するものではありません。
働く人にとっての最低限の安心を守るためのものです。
そして、その最低限さえ守れない会社になってしまえば、採用や定着、取引先からの信用など、別のところで大きな代償を払うことになるかもしれません。
「法律を守ることが経営の邪魔になる」のではなく、
「法律で決められた最低ラインを守れる経営体質を、どうやってつくるか」。
これからの中小企業経営では、この視点がますます重要になるのではないでしょうか。
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