改めて確認しよう、健康福祉確保措置
こんな方に読んでほしい!
◎静岡市近郊で営業中
◎従業員数51名以上
◎活気ある職場づくりを通して業績アップにつなげたい
◎ご年齢が30-50代の代表者様
◎残業時間が長い傾向にある
こんにちは。社会保険労務士の杉浦です。
2026年9月1日から、労働基準監督署による時間外労働に関する監督指導の進め方が見直されました。
これまでの「残業時間を月45時間以内に減らしてください」という一律的な指導を見直し、今後は、36協定で定めた「健康及び福祉を確保するための措置」が実際に行われているかを重点的に確認する方針です。
ただし、これは「残業45時間を超えても大丈夫」という意味ではありません。時間外労働の上限規制そのものは変わっておらず、過重労働による健康障害のおそれが高い場合には、引き続き必要な指導が行われます。
では、改めて「健康福祉確保措置」とは何なのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
特別条項を使う会社に求められるもの
そもそも、36協定の時間外労働には、原則として月45時間、年360時間という上限があります。
ただし、繁忙期や大規模なクレーム、機械トラブルなど、「臨時的な特別の事情」がある場合には、特別条項を付けることで、この限度時間を超えることができます。もちろん、恒常的な長時間労働を前提にすることはできません。(最大で年6回まで)
そして、特別条項を設ける場合には、長時間労働をする労働者の健康と福祉を守るための「健康福祉確保措置」を決めます。
この度、厚生労働省から出された新資料で、次の10種類が示されています。

①医師による面接指導
②深夜業(22時~5時)の回数制限
③勤務間インターバルの確保
④代償休日・特別休暇の付与
⑤健康診断⑥連続休暇の取得
⑦心とからだの相談窓口の設置
⑧配置転換
⑨産業医等による助言・指導や保健指導
⑩その他、労使で検討した具体的な措置
つまり、「残業が増えたけれど、会社として労働者の健康を守るために何をするのか?」という話です。
「番号を書けば終わり」ではない
36協定の特別条項を作るとき、
「去年も③だったから、今年も③で」
という決め方をしていないでしょうか?
例えば「③勤務間インターバル」と書いてあるのに、実際には休息時間を確保する仕組みがなければ、健康を守るための措置として機能しません。
大切なのは、
「この会社で本当に残業が増えたとき、社員をどう守るのか?」
を考えておくことです。
例えば、月45時間を超える残業が発生した社員について、勤務間インターバルでいえば
「翌日の始業時刻を遅らせる」「医師の面接指導につなげる」「産業医に相談できるようにする」「一定期間、連続休暇を取らせる」
など、実際の会社の運用に落とし込んでおく。
これが「健康福祉確保措置」の本当の意味であるといえます。
「何のための措置なのか」を考える
厚生労働省の資料でも、時間外・休日労働が長くなるほど健康障害のリスクが高まることが示されています。
だからこそ、36協定は「残業を合法にするための書類」とだけ考えてはいけません。
「忙しいときには残業をお願いする。その代わり、社員の健康を守るために会社としてこれを実施する」
という、会社と社員との約束でもあります。
今回の監督指導の見直しをきっかけに、ぜひ一度、自社の36協定を確認してみてください。
「健康福祉確保措置の番号は何番になっているか」だけではなく、
「実際に残業が増えた社員に対して、本当にその措置を実施できるのか?」
ここまで確認しておくことが大切です。
36協定は、作って終わりではありません。まして、決めた時間まではめいっぱい働いてもらえる、というものでもありません。
働く人の健康を守るために「実際に使える36協定」になっているか。
この機会に、労使で一度話し合ってみてはいかがでしょうか。
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